患者家族への説明

 医療事故発生時に、患者や遺族から説明を求められた場合は、その要求を拒否できません。これはインフォームド・コンセントの一環と考えられます。

 冷静に、事実を中心に説明をします。過失などの法的な評価については触れません。医師には過失や因果関係などについて法的判断をするのは困難です。 
 いったん間違って法的責任を認めてしまったら、後の始末ができなくなります。

 説明は単独でしてはいけません。
 複数で対応し、そのうち一人は話し合いの内容を逐一メモを取る必要があります。
 説明はなるべく一人が行います。みなが発言すると不統一になったり余計なことを言ったりします。
 担当の医師が冷静に説明できないときは、代わりの医師が説明することも考えましょう。

 相手は大勢でないこと。
 ある程度予定の時間を決め、時間内に終わるようにします。いつまでも延々と説明するのはよくありません。
 相手が満足するまで説明に応じなければならないというわけではありません。。

 患者側が弁護士を代理人として選任し、説明を求めてきた場合は、インフォームド・コンセントの範囲で応じる必要がありますが、この場合はこちらもなるべく顧問弁護士に立ち会ってもらいましょう。

 カルテを要求されたら、原則として開示したほうがいいです。
 拒否しても、後日裁判所の証拠保全によって提出させられることがあります。